遺言書でできること

遺言書を作成するとどんなことができますか?

Q:遺言書を作成するとどんなことができますか?

A:あなたの財産を相続人以外の人に贈与したり、誰にどの財産を相続させるか指定したりすることができます。遺産の分配をめぐる相続人間の争いを予防するメリットがあります。

  遺言というと、一般的には、自分が亡くなった後のことについて、家族にメッセージを託しておくというイメージがあると思いますが、法律上の遺言は、民法で定められた厳格な要式によって作成された遺言書によって示された遺言者の最終の意思表示を指します。

  法律上の遺言は、主に、自らの死後における財産の相続に関することについて、相続人間の争いを予防する目的で利用されることが多いです。

遺言書を作成することにより、次のようなことが可能になります。

☘   あなたの財産を、あなたが亡くなった後に、相続人以外の人に贈与することができま 
す。遺言による贈与のことを、「遺贈(いぞう」といいます。

☘   あなたの財産を、法定相続分とは異なる割合で相続させたり、「長男に自宅を、次男には預貯金を」といったように、どの相続人にどの財産を与えるかを定めておくことができます。これを「遺産分割方法の指定」といいます。遺産分割方法の指定には、遺産の分配をめぐる相続人の争いを予防するメリットがあります。

 
その他、子の認知推定相続人の廃除(家庭裁判所の審判により、例えば自分に虐待を加えた子の相続人資格を失わせること)、生命保険金の受取人の変更、などもすることができます。

Q:それ以外にできることを教えてください。
A:遺言ができる「遺言事項」は法定されています。「遺言事項」は次のとおりです。

  遺言書に記載することで、法的な効力が認められる事項を、「遺言事項」といいます。

  「遺言事項」は、法定されており、次のとおりとなっています。

  難しい言葉が並んでいますが、気になる項目がありましたら、お気軽におたずねください。

①身分上の事項に関する事項
・認知
・未成年後見人、未成年後見監督人の指定
②相続法規の修正に関する事項
・推定相続人の廃除および取消
・相続分の指定および指定の委託
・遺産分割方法の指定および指定の委託
・特別受益の持戻しの免除
・相続人相互の担保責任の指定
・遺留分減殺方法の指定
③財産処分に関する事項
・遺贈
・「相続させる」旨の遺言
・一般財団法人設立のための定款作成
・信託法上の信託の設定
④遺言の執行に関する事項
・遺言執行者の指定及び指定の委託
⑤ その他の遺言事項
・祭祀主宰者の指定
・生命保険金受取人の変更など
(『遺言実務入門』(三協法規出版)より)


Q:「葬儀不要」「戒名不要」といった内容の遺言をすることはできますか?

A: 遺言書に記載することはできます。しかし、法的な効力はありません。


  遺言事項以外の内容も、遺言書に記載することはできます。しかし、遺言事項以外の内容を遺言書に記載しても、法的に相続人を拘束する力はありませんので、遺言書を見た相続人がその通りにしなければならないという法的義務は生じません。葬儀や戒名ついての希望は、法定遺言事項ではありませんので、遺言書に記載しても、希望が実現されるという保障はありません。

  葬儀やお墓についての希望や家族へのメッセージなど遺言事項でないことは、エンディングノートに記載しておくとよいでしょう。エンディングノートは市販されており、インターネット上で無料でダウンロードできるものもあります。エンディングノートには、遺言書のような厳格な形式はありませんので、自由に記載してかまいません。しかし、エンディングノートに記載しても、法的な効力はありませんのでご注意ください。

Q 遺言書を書かなかった場合は、どうなりますか?

A 以下のようになります。

  あなたの財産は、法律で決まった割合で相続人に相続されます。

  どの財産を、どの相続人が取得するかは、遺産分割協議(相続人間の話し合い)によって決まることになります。

  相続人がいない場合は、相続財産は、国庫に帰属します。